火災後の首里城をめぐる

首里城再発見

2019年10月の首里城火災以来、首里城はだいぶ様子が変わってしまいました。しかし、被害を受けなかった場所やその周辺には、魅力的な場所がまだまだあります。

首里城公園で新たに4つの「首里城復興モデルコース」が紹介されました。皆さんもこれを利用して、首里城やその周辺の観光スポットを巡ってみるのはいかかでしょうか。

1.遺跡や聖地としての首里城

「首里城復興コース」は、城内の被害を受けなかった場所を回るルートになっています。

今回、地元ガイドとめぐるツアー「那覇まちま~い」に参加した様子をご紹介します。

城郭内の各門や、神女たちが祈りを捧げた「御嶽」、素晴らしい景色の「アザナ(物見台)」など、普段は素通りしてしまいがちな場所にもたくさんの王朝時代のエピソードがありました。

まちま~いガイドの解説を聞きながら首里城をまわると、王国時代にどこでどんな人が何をしていたのかが分かり、首里城に来たことのある人でも楽しめました。沖縄の文化や歴史に興味のある方にオススメのツアーです

今回コースの中には入っていませんでしたが、首里城の周辺には戦跡や名所などがまだまだ多くあります。

第32軍司令部壕

沖縄戦当時、旧日本陸軍の司令部のあった壕です。首里城から龍潭へ行く道の脇に入り口があります。2020年現在、崩落の危険があるため内部は公開されていません。

留魂壕

沖縄戦開戦前に沖縄師範学校男子部の学生たちが掘った壕で、鉄血勤皇隊が利用した壕です。入口が首里城敷地内の淑順門近くの「ガマ遺構」にあります

円鑑池・弁財天堂

円覚寺の前にある池です。池の中央にある建物は弁財天堂と言い、水の神が祀ってあり、航海の安全を祈る場所でした。

円覚寺

戦前国宝に指定されていた、第二尚氏の歴代国王の菩提寺だった寺院の跡です。2020年発表された「首里城復興方針」によって、円覚寺山門の再建が始まります。(23年度完成予定)

2.首里城周辺を散策する

首里城の内外には多くのレストランや文化体験施設があります。首里城を見た後で少し足を延ばしてみるのはいかがでしょうか。

系図座・用物座(首里城公園内) 以前首里城の鎖之間で体験できた、4種類の伝統菓子とさんぴん茶の「呈茶サービス」がここで楽しめます。
首里杜館(首里城公園内) 今回参加した「那覇まちま~い」首里城コースのスタート/ゴール地点となる複合施設です。内部にはレストランやカフェもあります。
首里琉染 沖縄伝統の紅型染めとサンゴ染めをテーマにした工房です。サンゴ染めの体験コーナーでは自分だけのオリジナル作品を作ることができます。
瑞泉酒造 琉球王国、酒造りを許されていた首里三箇を代表する1887年創業の老舗酒造所です。ここでは酒造りの様子を見学することができます。

3.首里の街をウォーキングする

南国のイメージの強い沖縄は、夏が一番にぎやかなシーズンです。冬から春先にかけては観光客の訪問が減って少し静かになりますが、散策をするにはちょうどいい季節です。かつての城下街を歩きながら、琉球王国の歴史に触れる旅に出かけてみませんか。
※首里城周辺は坂道や階段が多く、場所によっては歩きにくい場所があります。歩きやすい履きなれた靴でお出かけください。

金城町石畳道を歩く

守礼門のあたりに、南の方角に向かう小道があります。そのまま道沿いに歩いていくと、首里金城町の石畳道があります。琉球王国時代は「真珠道」と呼ばれ、小禄地区の屋良座森城まで続く軍用道路でした。現在石畳道は金城橋の手前の交差点までとなっています。この先はコンクリート舗装されていますが、道自体は豊見城市の石火矢橋まで歩いてたどることができます。

「石畳茶屋 真珠」でちょっと一息
金城町石畳道を上っていくと、終点付近にあるカフェ。ゆったりとした雰囲気で風景が楽しめる絶好の休憩ポイントです。

弁ヶ嶽を歩く

弁ヶ嶽はモノレール首里駅から徒歩約10分の距離にある、首里城の東のアザナ(物見台から)見える山です。海抜165.7mと首里一帯で最も高い場所にあり、峰全体がご神体とされた聖地でした。王国時代は年に三回国王の親祭があり、首里城から参詣道が続いていました。
※公園内はうっそうとした森になっています。足元に注意しながら歩いてください。

 

崎山公園から御茶屋御殿跡までを歩く

首里城の裏手にある継世門から南にしばらく歩くと崎山公園があります。公園内には崎山樋川、崎山御嶽、雨乞嶽があり、さらに先へ進むとカトリック教会の辺りには御茶屋御殿という、王府の別荘がありました。ここでは外国からの使臣を招いて宴などが催されました。建物は沖縄戦によって失われてしまいましたが、現在は公園内に石造獅子が復元されています。また、雨乞御嶽の南には「ヒジ川ビラ」と呼ばれる石畳道があり、識名園まで続いていた道がありました。

※2020年現在、ヒジ川ビラは通行できない場所があるため、金城ダム方面へ降りることができません。

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